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Aero Ektarとは

 

Kodak Aero Ektar は、第二次世界大戦中にアメリカの軍用の偵察機に搭載されていたレンズ。

 

このレンズをFlickr で見てみると、ピント面の解像感は高いんだけど、クセが強い、という非常に個性的なレンズだということがわかる。

 

だいきちは、このAero Ektar、Summilux 35mm f1.4、そしてKino Plasmat はいつかは使ってみたいと思っているレンズだ。

 

Summilux 35mm f1.4 は先日手に入れたので、次なる標的はAero Ektar じゃ。

 

このAero Ektar は大判カメラ用のレンズで、設計はダブルガウス。 その性能の高さから戦後は民間で使われるようになり、オリンピックの撮影やポートレートにも用いられていたという。

 

シャッターもヘリコイドもついてないので、フォーカルプレーン機であるSpeed Graphic(スピグラ) で使われることが多い。

 

 

Aero Ektarを入手する。でもその前に。

e bay を眺めていると、レンズ自体は単体で500ドル〜800ドルくらいで見つかる。

 

欲しい。すんごく欲しい。と思っていたのが、かれこれ4、5年前。

 

けどねぇ、スピグラで大判フィルムを使う、というのはハードルが高いわけですよ。

 

フィルム代、現像代、フィルムホルダーの準備、装填など、35mmフィルム、中判フィルムとは敷居の高さが全く違う別次元のステージ。

 

どうしようかなぁ、と考えているうちに数年経ってしまったわけです。

 

すると、You Tubeでこんな動画を見つけました。

 

Mounting Kodak Aero Ektar in medium format adapter

 

そう、Aero Ektar を中判カメラに取り付けるマウントアダプターを製作した人の動画。

 

本来はシノゴ(102×127mm)のイメージサークルをカバーするレンズを中判サイズで使うというのは周辺がもったいない。とは思うんだけど、使いやすさを考えると、致し方ない面もある。

 

で、Aero Ektar を PENTAX67 で使っている作例を探してみると、まぁ悪くない(大判と比べるとだいぶ差があるけど)。

 

そこで、上記のマウントアダプターを作っている人に、アダプターの値段をFacebook から問い合わせてみたわけです。

 

すると、アダプターはなんとまぁ約1000ドルだそう。

 

確かに、ゾナーの鏡胴を使っていて作りもしっかりしているんだけど、10万円以上は高すぎるでしょ。

 

アダプターに10万円以上払うなら、頑張ってスピグラ使うかな…。

と、ここでまた振り出しに戻ってしまった。

 

マウントアダプターを自分で組み合わせてみる

のだけど、e bay で「Aero Ektar – M65 スクリューマウント」のアダプターを発見。お値段は約5000円。

 

そして、同じメーカーが、「M65-PENTAX67」のアダプターを作っている。お値段は約4000円。

 

これでAero Ektar を PENTAX67 に繋げることはできるんだけど、これだけだとピント合わせができない。

 

すると、Amazon で「M65-M65 Helicoid アダプター」を発見。約3000円。

これはヘリコイドチューブの長さによって「17mm-31mm」「25mm-55mm」「36mm-90mm」の3種類ある。

 

これらを組み合わせれば、Aero Ektar を PENTAX67 に装着し、さらにヘリコイドでピント合わせもできるはずだ。

 

どのヘリコイドチューブの長さを選ぶのが適切かは、実際にAero Ektar を マウントアダプターに装着してから、無限遠が出せるPENTAX67のマウント面との距離を調べてみる必要がある。

無限遠は出しつつ、なるべく短い距離も撮影できるヘリコイドチューブの長さが望ましい。

 

いずれにしても、10万円以上するアダプターを、約12000円で代用できるなんて痛快じゃん。

 

と、ここまで確認したところで、e bay でAero Ektar を落札。

 

 

▲e bay では、GIXEN というソフトを使ってスナイプ入札。約600ドルで落札できた。

 

届いた個体は、クモリ、キズもなく、絞りもスムーズ。状態は良さそうだ。

シリアルナンバーから、1943年製のようだ。第二次世界大戦でも使われたレンズなのだろうか……。

 

▲後玉はスレスレまで出っ張っている。実はこの後玉には秘密があるのだが…。

 

 

返す刀で、「PENTAX67」、「Aero Ektar – M65 スクリューマウントアダプター」「M65-PENTAX67アダプター」を購入した。

 

 

▲ロシアから届いた「Aero Ektar – M65 スクリューマウントアダプター」

 

 

 

▲同じくロシアから届いた「M65-PENTAX67アダプター」

 

 

 

▲中国から届いた「M65-M65 Helicoid アダプター(25mm-55mm)」

 

実は最初は(17mm-31mm)を買っていた。無限遠は出るんだけど、あまり近接できなそうだったので、(25mm-55mm)を追加購入した。

 

 

 

▲ヘリコイドを伸ばした状態。

 

こうしてやっとパーツが全部揃ったわけです。

ではいざ合体!

 

 

▲スクリューでクルクルと繋ぐ

 

 

 

▲ヘリコイドチューブを繋げる

 

 

 

▲最後にマウントアダプターを付ける

 

 

 

▲これでPENTAX67 に装着できた。

 

 

 

▲ででーん。ここまで来るのに、すごい長い道のりだったよ。

 

 

 

▲重い。計ってみたら、約3.8kg。

レンズも重いんだけど、Aero Ektar – M65 スクリューマウントアダプター がしっかりとした金属製で結構重い。

もちろん重いレンズを支えるので堅牢な方がいいけど。

 

 

 

▲NORITA66 と並べてみる。66サイズのNORITAが、まるで小型ミラーレスのようだ。

 

 

もう一つ気になるのは、実はAero Ektar はアトムレンズという点だ。

 

アトムレンズとは、ガラスの屈折率を上げるためにガラスに放射性物質(トリウム等)が含まれたレンズのこと。

特に後玉から放射能がビンビンに出ているのだ。

 

だいきち自身は気にならないのだけど、部屋に子どもたちも入ってくるので、どのくらいの距離を離せば問題ないのか気になるところ。

その話はまた長くなるので、次回触れたい。

 

 

いざ、試し撮り!

 

本当は手持ちでスナップできるかも、なんて思っていたんだけど、約3.8kg なので手持ちはシンドイ。

手ブレしそうなので、とりあえず今回は三脚を使った。

 

 

▲なるべく軽量化したかったので、今回はGITZO のトラベラー三脚 GT1545Tを使用。雲台は梅本製作所の自由雲台。

 

フィルムはT-MAX400、現像はT-MAX Developer(1:4) を使用。

 

 

PENTAX 6×7 Kodak Aero Ektar 178mm f2.5 Kodak T-MAX400

 

開放で撮影。

後ボケも妖しくていいんだけど、前ボケの現実味のなさが、まるで異世界に繋がる入り口のような感覚に陥る。

 

 

 

PENTAX 6×7 Kodak Aero Ektar 178mm f2.5 Kodak T-MAX400

 

開放で逆光を試してみる。

もっとハレーションが出ると思ったけど、意外とちゃんと写っていて嬉しい。

 

 

 

 

PENTAX 6×7 Kodak Aero Ektar 178mm f2.5 Kodak T-MAX400

 

f4に絞る。

わずかに絞っただけなのに、一気に鮮鋭度が増して驚いた。

 

それでいて、ボケもあるので、このあたりの絞り値はおいしいかも。

 

 

 

PENTAX 6×7 Kodak Aero Ektar 178mm f2.5 Kodak T-MAX400

 

最後は逆光気味のところを開放で。

 

とまぁ、まだあまり撮影ができていないけど、とりあえずちゃんと写っていて一安心だ。

また67フォーマットでも、それなりに妖しい写りが感じ取れたので、今後が楽しみだ。

 

次はカラー、それもポジフィルムで撮ったらどうなるんだろう。

と楽しみは尽きないレンズだ。

 

 

おしまい。

 

 

 

 

 

 

 

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