FED-5は、旧ソ連で製作されていたレンジファインダーカメラだ。
レンズはIndustar61 L/D 55mm f2.8。テッサータイプで、小型軽量だけど、なかなかキレのある描写を見せる。
このボディとレンズセットで1万円以下だったけど、よく写るし、気兼ねなく使えるのでスナップに最適だ。
また、ゴツゴツとした洗練されていない感じが逆に実直な奴に見えて、むしろ愛着が湧いてくる。
またセレン光式の露出計が内蔵されている。
指針部の数字を読み取り、左側のダイヤルで数字を合わせると、シャッタースピード、絞りの組み合わせが示される。
最初わからなかったのが、ダイヤル内に記された 「ГОСТ」 の文字。
実はこれ、ソ連時代のISO感度の規格だそう。ASAがアメリカ、DINがドイツ、みたいなもんですね。
ちなみに、「ГОСТ 250」 が 「ISO320」に相当するようだ。わかりにくい…。
これまではネガカラーが多かったので、今回はモノクロを使ってみることにした。
FED-5 Industar61 L/D 55mm f2.8 Kentmere400
暗かったので確か開放だったと思うけど、ピントの鋭さを感じる。
フィルムはKentmere400。B&Hで4ドル以下と安い。昔ながらのクラシカルな感じで悪くない。
D76(1:1) 20℃ 14分で現像している。
FED-5 Industar61 L/D 55mm f2.8 Kentmere400
雨上がり、ボケの妖しい感じもいいなぁと。
FED-5 Industar61 L/D 55mm f2.8 Kentmere400
FED-5 Industar61 L/D 55mm f2.8 Kentmere400
結構驚いたのがこのカット。
何の気なしに植物を撮ったら、描写が細かく、明度の移行もメリハリがある。
FED-5 Industar61 L/D 55mm f2.8 Kentmere400
今回はセレン光式の露出計を信用して露出を決めたが、概ね問題ないようだ。
FED-5 Industar61 L/D 55mm f2.8 Kentmere400
FED-5 Industar61 L/D 55mm f2.8 Kentmere400
この日は曳舟、向島あたりをぶらついた。
FED-5 Industar61 L/D 55mm f2.8 Kentmere400
FED-5 Industar61 L/D 55mm f2.8 Kentmere400
FED-5 Industar61 L/D 55mm f2.8 Kentmere400
現像の時にフィルムを曲げてしまい、中心に白い跡が残ってしまった。
FED-5 Industar61 L/D 55mm f2.8 Kentmere400
というわけで、FED-5 を見てきたが、基本的に旧ソ連製のレンズは値段は安く性能は高い、のだけど、最近は性能の高さは多くの人の知るところであり、多少相場が高くなっている気もする。
それでもHelios、Jupiter、Industar といったところは、基本性能の高さと開放のクセのギャップがおもしろいので、色々試してみたいところだ。
おしまい。