最近、ライカの一眼レフもいいなぁ、なんて見ていたけど、ボディもレンズもずいぶんと高くなったようだ。もう少し安かった気がするけど……。
そこで思い出したのが、ミノルタの MC W.ROKKOR-SI 24mm f2.8 というレンズ。
ミノルタとライカは、1970年代に技術提携を行い、ライツミノルタCL や ライカR3 が登場したが、同時にレンズの提携も行っており、MC W.ROKKOR-SI 24mm f2.8 は、同じレンズ構成でELMARIT-R 24mm f2.8 として発売されている。
個人的にはコーティングや硝材は多少違う気もするが、「まったく同じレンズ」(参考文献1)という記述もある。
だいきちは、このロッコール24mmを1万円で購入したが、ELMARIT-R 24mm だと8万円くらいする。おそろしい……。
また、だいきちが持っているごくごく普通の標準レンズ MC ROKKOR-PG 50mm f1.4 は、5群7枚の変形ガウスタイプ。
5群7枚の変形ガウスタイプと言えば……、そうライカのズマリットやズミルックスと同じレンズ構成だ。
構成図はどうだろう、とズミルックス R 50mmとロッコール50mmを探してみると、参考文献1に載っており、同じではないものの、やはりかなり似ている。
撮り比べを見ると、ボケはロッコールの方がわずかに硬いものの、発色やフォーカス部の描写は似ている。
ロッコール50mm は1万円以下、ズミルックス R 50mm は10万円以上する……。
というわけで、この和製エルマリートと和製ズミルックスを携えて撮り歩きをした。
ボディは、1966年発売、ミノルタ初のTTL露出を内蔵したSR-T101 だ。ブラックがかっこいい。
この時代の一眼レフらしく、金属の塊といった堅牢なボディだ。
ユージン・スミスが使っていたカメラ、という点も気分を高揚させる。
今回はT-MAX100 を使い、T-MAX Developer で現像した。
MINOLTA SR-T101 MC W.ROKKOR-SI 24mm f2.8 Kodak T-MAX100
24mmという画角で撮ってみたかった場所にやってきた。
外部露出計を使って建物内部がギリギリ写る露出をイメージした。
MINOLTA SR-T101 MC W.ROKKOR-SI 24mm f2.8 Kodak T-MAX100
久しぶりに24mm という画角を使ったけど、難しい。
パースの付け方や被写体との距離感に戸惑う。
けどファインダーの景色が視覚と異なるのが新鮮で、脳をリフレッシュすることができた。
MINOLTA SR-T101 MC W.ROKKOR-SI 24mm f2.8 Kodak T-MAX100
MINOLTA SR-T101 MC W.ROKKOR-SI 24mm f2.8 Kodak T-MAX100
MINOLTA SR-T101 MC W.ROKKOR-SI 24mm f2.8 Kodak T-MAX100
MINOLTA SR-T101 MC W.ROKKOR-SI 24mm f2.8 Kodak T-MAX100
なかなかディテールの描写が鋭く、質感も良く出ている。
カラーの時は、ちょっと硬いかなと思ったが、モノクロで使うと、ほどよいコントラストだと思う。
MINOLTA SR-T101 MC ROKKOR-PG 50mm f1.4 Kodak T-MAX100
続いて50mm f1.4。
実はこっちのレンズの方が軽い驚きだった。
手前の木の樹皮の質感、そして奥の木の枝の描写はなかなかのものだな。
MINOLTA SR-T101 MC ROKKOR-PG 50mm f1.4 Kodak T-MAX100
階段の装飾も細かいところまでよく再現されている。
MINOLTA SR-T101 MC ROKKOR-PG 50mm f1.4 Kodak T-MAX100
MINOLTA SR-T101 MC ROKKOR-PG 50mm f1.4 Kodak T-MAX100
基本的にはかっちりとした感じだけど、なるべく開放付近で柔らかめに撮ってみた。
MINOLTA SR-T101 MC ROKKOR-PG 50mm f1.4 Kodak T-MAX100
この辺もf2くらいだった。
開放でもしっかりしているが、一絞りするとグッとシャープになる。
MINOLTA SR-T101 MC ROKKOR-PG 50mm f1.4 Kodak T-MAX100
ここは開放。ピント面はしっかりとしている。
ボケは少し硬めだけど、モノクロだとこれくらいのほうがいいかな。
MINOLTA SR-T101 MC ROKKOR-PG 50mm f1.4 Kodak T-MAX100
とまぁ、ロッコールの24mm と 50mm をモノクロで使ってみたが、値段云々ではなく、純粋にいいレンズだと思う。
和製〇〇、という呼び名はロッコールに対して失礼であり、ロッコールはロッコールなのだ。
参考文献
1)季刊クラシックカメラ 14 特集 ミノルタロッコール伝説.双葉社,2002.
どもども、だいきちボンバー殿。
ロッコールのモノクロを眺めるのは良いものですね。
ライカはRは6~7年前に横浜の中古カメラやでR3にズミクロン50mmF2が付いたのが3.3万円くらいで転がっていたのですが、ゲリラ戦で消耗していたため泣く泣くスルーしました。たしか三河駐屯地への帰還中だったと思います。今では、とても手が出ないですね。
ロッコール24mmF2.8は持っていないことに今気づきました。コシナやトキナーやコムラーを持っていたので持っているつもりになっていたようです。
MDロッコール24~50mmF4を持っていまして、最近まで「24mmまでをカバーするズームレンズのマイブーム」だったんですよね。これはあまりディテールを描くようなものではないのですが、繊細なアウトラインを結像するので大雑把にスナップしたいときは便利です。光線状態によってはディテールを描きますが平面的にペタッとしてしまう時が多いですね。
やっぱり単焦点は違うなあと思わされました。
1枚目の写真は見事ですね。これだけのラチュードを再現させるのはレンズのパワーというよりも測光や現像といった撮影者の力量でしょう。やっぱりTMAXはTMAXデベロッパーでないとパフォーマンスが出ないのかなとおもいました。また、魅かれたのが50mmF1.4の階段の手すりですね。屋内で拾うつややかなな光を描く諧調。拙僧の乱雑な現像では出せないでしょう。
今は液温が高いのでネガも撮りためているのですが思い切ってやっつけちゃおうと思ってもしまいます。
Rikkieさん、どうもです。
ロッコールのモノクロは初めてだったのですが、ほどよいキレのよさと階調のバランスに驚きました。特に50mmは解像感や質感など、かなりのものですね。
ニコンに近いイメージだったのですが、ニコンより少し優しい印象を受けました。
>R3にズミクロン50mmF2が付いたのが3.3万円くらいで
これは安いですね~。実際、ボディはかなり安くなっていた気がするのですが、最近はだいぶ値を戻している印象です。レンズも高いですね。
>MDロッコール24~50mmF4を持っていまして、最近まで「24mmまでをカバーするズームレンズのマイブーム」だったんですよね。
ロッコールはズームの評判もなかなかよかった記憶があるのですが,24-50mmの写りは見たことがないので興味あります。ズームも使ってみたいですねぇ。
1枚目の写真は自分でも気に入っていて、24mmでここを撮ってみたいみたいなぁと狙っていた場所です。T-MAX100 は400よりも明らかに性能がいいので、よく出てくれました。
現像はつらい季節です。氷、前浴、タンク周りの温度維持など面倒です。ただ溜めると季節も変わってしまうので、なんとか頑張っています。
コメントありがとうございます。