前々回は、FOCAについて記した(FOCA で味わうフランス製レンズ)。
個性的な写りをするFOCAのレンズ群の中でも、OPLAREX 50mm f1.9 はその最たるものだ。
ハイライトの滲み具合、ベールがかかったようなフレア、ふんわりとした雰囲気。
現代的なレンズの評価で言うと欠点となる写りだが、写真を心象風景の一つと捉えるものにとっては、表現の幅が広がるレンズと言える。
とはいえ、光の捉え方を間違えると、ポヤポヤしすぎて絵にならない。
そんな魔性具合というか、二面性がこのレンズの魅力だろう。
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 Fujifilm C200
雑司が谷鬼子母神の参道のケヤキ並木。
ここはいつも光の入り方がきれいなので、好きなスポットだ。この並びにあるカフェも心地よい。
OPLAREXは、強い光には弱いけど、木漏れ日との相性がいい。
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 Fujifilm C200
f2.8だが、ふんわりとした風情だ。
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 Fujifilm C200
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 Fujifilm C200
鬼子母神。この日は、夏市という鬼子母神の夏祭りの日だった。
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 Fujifilm C200
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 Fujifilm C200
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 Fujifilm C200
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 Fujifilm C200
だいぶオーバーだと思ったけど、開放で撮影。
案の定、飛び気味だけど、これはこれでアリかなと。
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 Fujifilm C200
日陰から日向へと、色と明度のグラデーションがきれいだった。
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 Fujifilm C200
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 Fujifilm C200
前ボケの感じ、被写体の浮き立つ感じ、後ボケ、光の滲み具合、とOPLAREX の特徴がよく出たシーンだ。
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 Fujifilm C200
FOCAのレンズは全体的に赤と緑の発色がいい。これはアンジェニューでも思ったけど、なにかフランスレンズの共通点があるのだろうか。
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 AGFA vista plus200
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 Fujifilm C200
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 AGFA vista plus200
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 ADOX Silvermax100
モノクロも試してみた。
中間調が豊かで、ほんわかした感じはモノクロでも継承されているようだ。
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 ADOX Silvermax100
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 ADOX Silvermax100
FOCA Universal R OPLAREX 50mm f1.9 ADOX Silvermax100
光が建物に差し込む様と、林の明暗が印象的で、モノクロと午後の斜光が合いそうに感じた。
というわけで、今回は OPLAREX 50mm f1.9 について見てきた。
OPLAREX はガウス型で、ツァイスでも、ライカでも、大口径標準レンズにガウス型は多いのだけど、それらとは一味違った描写に思える。
これは技術的なものというよりは、ドイツとフランスの写真に対する哲学や風土、文化的背景などに起因するものではないか、そんな想像を駆り立ててくれる不思議なレンズだ。
どもども、だいきちボンバー殿。
木陰の下の屋台で光るライトの光はウットリするほど美しいですね。
また、明らかにオーバーな白いシャツの女性、参道筋、まさに幻想的ですね。
よくよく考えれば50mmF1.9のレンズで縁日を散歩スナップ撮影なさっているんですよね。拙僧などは絞ってやっつけ目測でそそくさと逃げるようなせせこましい撮影をしていますからなかなか真似できないでしょう。
おっしゃる通り緑と赤の美しさが際立ちますね。紅い風鈴が美しいです。
思うにアグファ200というカラーネガとの相性がいいのかもしれないですね。
拙僧もこの季節は液温が高すぎて自家現像できませんから、古いキヤノン50mmF2.8(Lマウント)あたりにカラーネガを詰めてみたくなりました。
モノクロ写真も拝見しましたが、このレンズは結像力や諧調でディテールを出すのではなく、あくまで光の美しさを定着するレンズ。そんな印象を受けました。
OPLAREX 50 1.9は、おっしゃるように、光の美しさ、ですね。
カラーでもモノクロでも、光線状態ばかり見ています。
縁日での撮影はあまりしないのですが、鬼子母神は雰囲気がとてもいいんですよ。都心のお祭りは、ややもするとギスギスした感じもするのですが、鬼子母神は写真を撮っていても、誰も気にしない。堂々と撮影を楽しむことができました。開放が多かったので、一応、ピントはちゃんとしないと、と少し時間をかけても大丈夫な環境でした。また行きたいところです。
おっしゃるように、アグファのフィルムは赤の発色がよいようなので、フォカと相乗効果があったと思います。
基本的にはカラーの方がよさそうなレンズですが、光線状態がよければ、いいモノクロプリントが作れそうなレンズです。
キヤノンのLマウントは、モノクロの階調が非常に優れたレンズという印象ですが、カラーはそういえばあまり見たことないですね。もしカラーで撮る機会があればぜひ拝見させてください。