ライカのフィルムカメラには、M型(Mマウント)、バルナック型(ライカスクリューマウント・Lマウント)、一眼レフ(Rマウント)がある。
この中で特にライカスクリューマウントは、ライカ純正レンズでもMマウントと比較すると安価だし(それでも高いけど)、古い国産やソ連製など、安価で写りのよいオールドレンズも楽しめるので、オールドレンズファンなら探求してみたいマウントの一つだ。
だいきちが初めて買ったライカスクリューマウントは、LEICA DⅢと Elmar 5cm/f3.5 のセット。
このレンズがよく写る。戦前のノンコートながら、ほどよい柔らかさと絞ったときの鋭さを見せる。
それから Angenieux 35mm/f2.5(Lマウント改)、 Rudersdolf Ruo-Optic Kino 5cm/f2.5(Lマウント改)、Elmar 9cm/f4(Fat Elmar)、Summarex 85mm/f1.5 、FED5 とセットだったIndustar-61 55mm/2.8 を購入した。
▲我が家のLマウントレンズ。
(上段左から)Angenieux 35mm/f2.5(Lマウント改)、Elmar 9cm/f4(Fat Elmar)、Summarex 85mm/f1.5
(下段左から)Industar-61 55mm/2.8、 Rudersdolf Ruo-Optic Kino 5cm/f2.5(Lマウント改)、Elmar 5cm/f3.5
ボディに関しては、LEICA DⅢ の出来が非常によく、必要最小限の装備で最高の仕事をしてくれる。
確かにフィルムの装填が面倒、距離計とファインダーの窓が別、ファインダーは50mmだけ、といった問題もあるけど、そういった不自由さも楽しんでこそのクラシックカメラでしょ!
と言いたいところだけど、正直、ちょっとめんどくさい時があるのも事実。
そういう日もあるじゃないですか。気軽にレンズの描写を楽しみたい、露出測るのが面倒だな、なんて日が。
そこで思いついたのが、コシナ の BESSA R だ。
BESSA R は2000年にコシナから発売されたLマウントの距離計連動カメラで、露出計が内蔵されている。さらに、35mm・50mm・75mm・90mm のファインダーが内蔵されている。これはだいきちの所有レンズの画角ともほぼ一致しているので外付けファインダーを買わなくて済む。
また、BESSA R について言及されていたニコノスさんのホームページも後押しし、購入することとした。
▲BESSA R。あまり見かけないけど、相場としては1~3万くらいか。
▲シャッターダイヤル、巻き上げレバー、シャッタボタンは、コシナOEM機の NIKON FM10、OLYMPUS OM2000 と同じパーツのようだ。また悲しいことに、裏蓋がべたつくのも共通だ。
ミラーがない分、一眼レフよりこちらの方が薄い。
ファインダーの画角を簡単に変更できるのはありがたい。
▲Elmar 5cm を付けてみる。残念ながら、レンズは完全には沈胴できない。
とりあえず、Elmar 5cm で試し撮りをしてみた。フィルムはT-MAX400。
T-MAX Developer (1+4)で、20℃、7分で現像し、EPSON GT-X830でスキャン(2,400dpi)している。
BESSA R Elmar 5cm f3.5 Kodak T-MAX400
基本的には、LEICA DⅢで撮っても、BESSA R で撮っても、レンズが同じなので描写は変わらないはず、なんだけど、露出決定やシャッタースピードの精度、ピント精度、といった要因により、わずかながら差があると思われる。
BESSA R Elmar 5cm f3.5 Kodak T-MAX400
逆光気味だったので、ちょっとフレアがかっているけど、なかなか健闘している。
BESSA R Elmar 5cm f3.5 Kodak T-MAX400
明暗差が激しかったので、壁に合わせた。
どこに露出を合わせるかと、さっと決められるのは内蔵露出計の恩恵だ。
BESSA R Elmar 5cm f3.5 Kodak T-MAX400
ぷらぷらと、神田の今川小路にやってきた。
BESSA R Elmar 5cm f3.5 Kodak T-MAX400
ここは懐かしい風景が広がっている。
BESSA R は、FM10やOM2000 と比較して、シャッターを切った時のブレが少ない。
BESSA R Elmar 5cm f3.5 Kodak T-MAX400
BESSA R Elmar 5cm f3.5 Kodak T-MAX400
BESSA R Elmar 5cm f3.5 Kodak T-MAX400
BESSA R Elmar 5cm f3.5 Kodak T-MAX400
BESSA R Elmar 5cm f3.5 Kodak T-MAX400
BESSA R Elmar 5cm f3.5 Kodak T-MAX400
BESSA R Elmar 5cm f3.5 Kodak T-MAX400
とまぁ、BESSA R と Elmar 5cm f3.5 を使って試し撮りをした。Elmar はさすがの写りだ。
ボディに関しては、露出計は正確で、フィルムの装填も簡単、ファインダーも明るく、ヌケがよい。
さらに手ぶれしにくく、撮るための道具としては非常に完成度が高い。
ただ、ピント合わせの二重像が小さくて見にくく、ピント合わせに一瞬時間がかかる。
スナップにおいて、これは結構なストレスで、これならバルナックライカの方がピントは断然合わせやすい。
露出計やフィルム装填のしやすさはあるのだけど、それほど使用頻度は高くないというのが正直なところだ。
どもども、だいきちボンバー殿。
最近は欲しいレンズもあまりないんですが、Lマウントのエルマー5cmF3.5は一度は手に入れたいですね。これは、ちょっと無理をすれば買える価格帯なので夢では終わらないと願っています。
お写真を拝見した感じもいいですね。うまく表現できませんが、適度なぬるい感じが好印象です。
ベッサR2は持っています。
これは室内でいじっている分には最高なのですが、屋外のキャンデットフォトだと浅草寺の喧騒でも「撮られた!」とわかってしまうほど、シャッター音が甲高いんですよね。
音が大きいのではなく、音域の問題だと思います。
そんなわけでキヤノン7のほうが稼働が多いくらいです。
13.6cmヘクトールを使いたいという理由もありますが。
あらかじめわかっているモデル撮影ならキヤノン100mmF3.5をつけたり、露出計も信頼できていいカメラなのですが。
相変わらずいい写真ですね。余計なことですが、同じレンズを違うカメラで写すと差が出る要因に、カメラボディの内面反射の差があると思います。RTSとRTS II, 500c/mと503c/xのようにボディの形が同じでも処理の仕方で画質に差が出て、今までの経験だと、開放絞りに近い方が差が出やすく、モノクロよりもカラーの方がわかりやすいかもしれません。
Rikkieさん、どうもです。
僕の持っているエルマー5cmF3.5は、なんかレンズがもやもやしていますが、気にせず使っています。状態が良ければ、テッサー系なのでもっとキリッと写りそうですが、まぁこれはこれで気に入っています。
ベッサは確かに音が響く感じで、キャンディットフォトには向いていないですね。
バルナックライカのように情緒はありませんが、露出計は使えるし、ファインダーも悪くないので、気楽に撮るにはいいカメラですね。
CMGさん、コメントありがとうございます。
ボディの内面反射、書こうと思ったのですが、レンジファインダーの場合、レンズとフィルム面が近いので、どれだけ影響があるかはっきりと言い切れる自信がなかったんです。
しかし改めてベッサを見てみると、ちゃんとレンズとフィルム面の間に反射防止が施されていました。バルナック型ライカも比較的ちゃんとしているように見えます。
これが安原一式では内面反射がひどいらしいので、やはりボディの内面反射の影響はレンジファインダー型でも大きいですね。ご指摘ありがとうございます。
実は、バルナック型ライカより、ベッサの方がよく写っているような気がしてまして、気のせいだと思いたいのですが……。今度はカラーでも撮ってみたいと思います。
フランジバックが短いレンジファインダーの後玉は、一眼レフ用のレンズより圧倒的にフレアが出やすいです。多分一眼レフ用のレンズよりフィルム面までの入射角度が急にしないとならないからで、実際ボディの内面反射に関してはレンジファインダーの方が影響出やすいかもしれません。内面反射の処理は色(濃いグレーから黒)と素材(硬いか柔らかい)で大きく影響がでますが、パナルックライカの方が結果が悪いというのは知りませんでした。ということはm3からm7までのライカも微妙に違うかもしれませんね。勉強になりました。ありがとうございました。
なるほど、レンジファインダーの方がフレアの影響が出やすい、確かに後玉の状態が悪いと、一眼レフよりモヤモヤしやすい経験があります。
レンジファインダーの方が内面反射の影響、ありそうですね。参考になります。ありがとうございます。
バルナックライカとベッサは、本当に感覚的なので、まだはっきりとは言えないのですが、経験的に、ベッサの方がフレアっぽさが少ないなと感じました。
アンジェニュー35mmでも比較したのですが、ベッサの方がシャープでした(シチュエーションが全く同じではないので、厳密な比較ではありませんが)。
もっとも、私のバルナックライカの状態が悪い、という可能性もあります……。