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ツァイス・イコンのテッサーレンズの描写は繊細かつキレがあり、いつかは使ってみたいと思っていた。

中でもフォールディングカメラ(折り畳み式カメラ)のイコンタシリーズは中判カメラとは思えないほどコンパクトに収納できるので狙っていた。

イコンタシリーズには戦前から戦後まで種類が様々あり、また名称も国によって異なるので注意が必要だ。

大まかな分類としては、フォーマットによる分類(6×9判、6×6判、6×4.5判等)、距離計の有無、二重露光防止機能の有無、赤窓の遮光板の有無、テッサー、ノヴァー、クセナーなどレンズによる違い、といった点が挙げられる。

で、今回だいきちが購入したのが、スーパーセミイコンタ3型(Super Ikonta 531 )と呼ばれているもので、645判、距離計あり、二重露光防止機能あり、赤窓の遮光板あり、テッサー  75mm f3.5、というスペックで1937年製のようだ。

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▲シブイ……。
レンズ向かって左側から上方に測距用のプリズム(通称・招き猫)が出ている。
開けた時にこれを出し忘れると、二重像が現れず、距離計によるピント合わせができない。

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▲畳むとコンパクトに収納できる。

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▲フィルム室を開けたところ。
フィルムは横方向に送られるので、この状態で撮影すると縦位置の写真になる。35mmフィルムのハーフカメラのイメージだ。

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▲フィルムの装填。
「スタート位置」はあまり関係なく、だいたいのところで蓋を閉める。

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▲フィルム送りは「赤窓式」と呼ばれるもの。
蓋を閉じて巻き上げていき、右側の窓に「1」が出てきたところで巻き上げストップ。これで撮影可能だ。

窓は赤色のフィルタで覆われ、またブローニーフィルムに遮光紙があるものの、高感度フィルムや日なたでは感光するおそれがあるため、巻き上げはなるべく日陰で行い、巻き上げ完了後は赤窓を閉める。

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▲レンズ部でシャッタースピード、絞り値を設定し、シャッタチャージを行う。

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▲シャッターチャージ完了。

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▲ここが「赤」だと撮影可能。
その上にあるのがシャッターボタン。
シャッターボタンは、レンズの近くにもう一つある。

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▲シャッターを切るとさきほどの赤が「白」に変わる。
この状態では、シャッターチャージをしても次のシャッターが切れないようになっている。

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▲巻き上げを行うと「赤」になり、次の撮影が可能になる。

この時代に、こんな高性能な二重露光防止機能がついているとは!

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▲さきほどは右の窓が「1」だったが、左の窓に「1」がくるように巻き上げを行う。

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▲巻き上げ後は、中央のボタンをスライドさせて遮光し、次のコマを撮影する。

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▲次のコマ撮影後に巻き上げを行うと、今度は右側に「2」が出てくる。

120フィルムでは16枚撮れる。つまり左側の窓に「8」が現れた時が最後のコマだ。

一見、原始的に思われる赤窓式だが、これがなかなかどうして、コマ間は概ね揃っており精度が高い。
うちにあるミノルタコードやローライコードⅣよりも、よっぽどコマ間は均一だ。

では、写りがどんなもんか、アクロス100を詰めて試し撮りを行った。

img340
Zeiss Ikon  Super Ikonta 531  Tessar 75mm
f3.5  FUJIFILM across100

おぉ、なかなか味がある……、と思ったけど、なにやら右下に謎の白い三角形が。

木の枝は精密な描写だけど。

img349
Zeiss Ikon  Super Ikonta 531  Tessar 75mm f3.5  FUJIFILM across100

やはり、右下に白い三角形が。

感光してるな、こりゃ。

img350
Zeiss Ikon  Super Ikonta 531  Tessar 75mm f3.5  FUJIFILM across100

各コマとも、ほぼ同じ位置に感光しているので、レンズの周囲か蛇腹関係に問題がありそうだ。

けど、それ以外の写りは、かなりいいんじゃない?

img352
Zeiss Ikon  Super Ikonta 531  Tessar 75mm f3.5  FUJIFILM across100

とまぁ、最後の最後まで、同じ位置に感光していました。

試しにもう1本撮ってみたけど、これも同じ位置に感光。

レンズがいいだけに残念だなぁ。

とりあえずお店に持っていったが、その場では原因がわからなかったので、修理に出してもらうことになった。

修理不能なら返品だけど、気に入っているので、なんとか直ってもらいたいところだ。

【追記】修理から帰ってきた話は以下から。

スーパーセミイコンタ3型が修理から帰ってきた

7 のコメント

  1. どもども、だいきちボンバー殿。
    セミイコンタですか。やっぱりフォールディングカメラに戦前物のテッサーという組み合わせは心が躍りますよね。拙僧は貧乏人なので距離計レスのテッサーとノバーしか持っていません。それでも、ちゃんとフォーカスが合っていて、露出が適切だとウットリするような写りをしますよ。
    困ったのが、流石に7.5cmのレンズで目測は大変なんですよね。とは言え、一眼レフカメラでフォーカシングしてメモリを写すのは粋じゃないし。
    それに、拙僧の固体は程度が悪いのでシャッターの速度が出ていないようなんですよね。とにかく、手ブレします。がっしりしたフォールディングのカメラでもないんですが、ネガもオーバー気味だし2段は遅い感じですね。いや、明確に2段遅いのかが分かっていれば対処できるのですが、実際の速度は分からないですね。モノクロネガで2段くらいオーバーでも構わないから1/30のつもりでF8で撮影する手もあるのですが。
    懸念なさっている光線漏れですが、赤窓からという気がします。上手くいけば立て付けを良くするだけで済むはずです。拝見した限りでは蛇腹の穴も埃の影響も無いように見えますが。
    我が師団のプラウド3も派手に光線引きするので処分してもいいのですが、レンズがコンゴーなので何とかしたいと思ってしまいます。

    Rikkie
  2. 4/19から名古屋中古カメラ市が始まるのですが、あまり期待できません。
    セミイコンタやローライ、イコンタ35あたりは出してもらうのですが、値段の高い安いはあまり関係なく、レンズの状態が悪いですね。ヤシコンのツアイスもですが、よーく見ると微妙にクモっているんですよね。イコンタ35の安い方でもジャンク価格ってことは無いですから、事は重要です。拙僧はカビや傷は寛容ですが、クモリは別です。
    なんだか、二眼レフのローライはシュナイダーのコードの方が安心できる気がしますね。
    Lマウントのニッコールや他のブランドのレンズも値段の割に信じられないような傷がついて店主は平気な顔なんですよね。単に悪口を言っているんじゃなくて、東京に帰ると同じ価格で遥かにコンディションの良い個体があるんですよ。やっぱり、良いモノは東京に集まります。
    名古屋の中古カメラ市は、格の高くないジャンクや用品が捨て値だったのが魅力的だったのですが、最近はそんなブツも無くなりましたねえ。
    それでも、スマートフォンやiPhoneで相場価格をのんびり検索している若い連中のお陰で、聞いたこともないブランドのレンズをかっさらう楽しみは残っています。
    そういえばモスクワも未稼働だなあ。

    Rikkie
  3. Rikkieさん、どうもです。
    距離計なしも頭にはあったのですが、やはり被写界深度内に入れる自信がなかったです。ドレーカイル式距離計にも興味があったのですが、戦前にこんな手の込んだ機械、光学の仕掛けには感心させられました。
    この種のフォールディングカメラは、以前よりだいぶ値が下がっていたのでいきました。テッサーももちろんいいんですけど、ノバーには非常に関心があります。トリプレット独特の個性的な写りなので、テッサーとノバーの2台持ちはアリだと思います。Rikkieさんは、さすがです。
    光線漏れは、赤窓ですか! 言われてみると、確かにそんな気もしてきました。暗い部屋で懐中電灯で見てみたんですけどピンホール的なものはなかったので、赤窓かもしれません。
    プラウド3のコンゴー、山崎光学で希少ですから、手放すのももったいないですよね。

    だいきちボンバー
  4. ローライやイコンタは、もちろん機構も優れているのですが、「レンズを買う」と言っても過言ではないので、レンズの状態は妥協できないですね。たとえ安くても、そういう問題ではないですし。
    私の印象としても、プラナーは、ローライ、ハッセルともに、結構レンズの状態が悪い個体が多いですね。クモリはよく見ました。
    地方に出張で行くときはカメラ屋さんもよく行くのですが、Rikkieさんおっしゃるように、相場より少し高い、もしくは状態が良くないのに相場並の値段を付けていて相対的に高い、という印象です。
    ひょっとして、松坂屋カメラあたりから少し難ありを仕入れて、ちょっと修理して店頭に並べているのかしら、というのもよく見ました。
    やはり、競争原理が働いているところでないとだめなのかもしれませんね。
    とはいえ、最近はフィルムカメラブームで、コンタックスT2、T3、ミノルタTC-1、マミヤ7、マキナ670(昔から人気でしたが)あたりは、さらに高騰している感じです。
    逆にライカ関係は少し落ち着いてきたでしょうか。
    今年は中判に行った後、ペトリカラー35に行きました。これはいいカメラですね。Rikkieさんのコンテンツも拝見しました。これで距離感を養いたいと思います(笑)。
    名古屋中古カメラ市、なにかおもしろいブツがありましたら、ブログで紹介してください。

    だいきちボンバー
  5. どもども、だいきちボンバー殿。
    名古屋のレモン社あたりは本当に東京の売れ残りを並べている気がします。Lマウントライカの貼り革の剥がれを直しもしないですね。東京の相場を知っていると、なめているとしか思えません。もっとも、ジャンク物件は逆に東京よりも捨て値かもしれません。光学的に素晴らしいコンディションのオートロッコール58mmF1.4が1000円で転がっている時がありますから。
    最近、フィルム回帰の傾向があるのは感じていましたが、コンタックスT2が3万円以上してびっくりしました。ミノルタTC-1は以前から高かったですけど、コンタックスTシリーズを今更買うのはリスキーですからね。描写は素晴らしいですけど、動けばの話です。ちゃんと動くTVSが1.2万円なら欲しいですよ。
    今、キタムラに4万円を切るヤシコンのプラナー85mmF1.4を取り置きしているんですよね。光学系に問題がなければ行っちゃおうかと思っています。それとコンタックスT2が大して価格差が無いのは不思議ですね。そんなアニメでもあるのでしょうか。
    拙僧の稚拙なペトリカラー35のコンテンツをご覧いただき、光栄です。
    ペトリの魅力は壊れやすい独自メカニズムでは無くレンズです。不思議ちゃんになることもあるし、妙にディテールを表現する場合もあるんですよね。
    それが予測不能なのですが、どちらに転んでもイイ感じなのがペトリの魅力だと思っています。

    Rikkie
  6. どもども。
    プラナー85mmF1.4はNGでした。やっぱり薄雲りしていますね。
    あれが硝材の劣化なのか堆積した埃が満遍なく散らばるのか分からないのですが、撮る方としては同じことです。
    師団兵力は動員しちゃったし、いっそディスタゴン25mmF2.8に転ぶか、名古屋中古カメラ市で決戦を挑むか。
    一番いい選択肢は東京帰郷の資金を師団長兼妻に都合してもらって、東京の中古カメラ屋でスイートなブツをゆっくり探すという気がしますが。

    Rikkie
  7. 4万を切るプラナー85/1.4 は安いですね。先日、4.5万というのをネットで見かけて、その日のうちにお店に行ったら、売れた後でした。光学系に問題がなければ4万以下というのはお値打ち価格、春のポートレートにいいですねぇ。
    →と思ったら、クモリですか。残念。安いなりの理由があるんですよね……。
    ヤシコンのディスタゴンも25mmはなかなか値段が下がらないですね。評価高いですし。
    ペトリは正直あまり興味がなかったのですが、使ってみて評価が一変しました。よくできてますね。コストダウン前で作りがしっかりしていました。機構が複雑そうなので壊れたら面倒でしょうけど。
    そして現像してみて、さらに驚きました。レトロな優しい描写を残しながらも、ピントは切れてるし、描写が分厚い感じでレンズのパワーを感じました。お散歩カメラとしては最強ですね。

    だいきちボンバー

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