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ズマリットは、ずっと欲しいと思っていたレンズだけど、状態のよい個体が少ない。

前玉が柔らかいので拭き傷が多く、クモリ、コートスレなど、光学系に難があることが多い。

反面、絞り羽根やヘリコイドの状態は良好なものが多く、この時代のライカレンズの作りのよさを感じさせる。

価格としては、3万円~10万円と幅が広い。そこそこの状態を狙うなら6万~8万円くらいだろうか。

以前、山崎光学にうかがったとき、雑談で、どんなレンズの修理依頼が多いですか、と尋ねたところ、ズマールかズマリットとのことだった。

両レンズとも、光学系さえ問題がなければ魅力的な写りをするので、手をかければ見違えるのだろう。

「状態の悪いのを安く買って、持ってきてくれれば、きれいにしますよ」 とおっしゃっていたが、ちょっとクモリやキズ、コートスレがあったとしても、できればまずはオリジナルを味わってみたい。

というわけで、これまで何本となく店頭で見せてもらったけど、なかなかこれというものに出会えなかったのだが、やっと先日、そこそこ状態がよく、値段も相場よりちょい安いというものを買うことができた。

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Mマウントの1956年製だった。

まるで工芸品のように物体として存在感がある。

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M6と合わせたけど、やっぱりM3の方が似合うな。

というわけで、まずはX-Pro2 でどんなもんか試した後、 M6 で撮ってみることにした。

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FUJIFILM X-Pro2  Summarit 50mm f1.5

まずは開放で試してみる。

ピント面もふわふわした味のある描写だ。

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FUJIFILM X-Pro2  Summarit 50mm f1.5

波をふわふわと撮ってみる。

開放なので、電子シャッターで1/32000 だった。
NDフィルターを付けずに昼間に開放を使えるのはすごいよね。

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FUJIFILM X-Pro2  Summarit 50mm f1.5

開放で遠景だと、さらにソフトな描写だけど、拡大すると解像はしているので、絞ればパキッとするだろう。

奥にうっすらと見えるのは富士山だ。

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FUJIFILM X-Pro2  Summarit 50mm f1.5

室内だと、開放でもまた違った雰囲気だ。

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FUJIFILM X-Pro2  Summarit 50mm f1.5

f2.8 から急に締まりがよくなり、f5.6以降は全く違うレンズのようにしっかりと写る。

ここは確か順光でf8くらい。

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FUJIFILM X-Pro2  Summarit 50mm f1.5

逆光気味でも、絞るとシャープに写る。

いや~、これほど変化するとは。

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FUJIFILM X-Pro2  Summarit 50mm f1.5

最後に、思いっきり逆光にして、ゴーストを出してみる。

ワカメレインボー。

ではフィルムだとどうだろうか。

Kodak の Ultramax400 を使ってみる。現像は戸越銀座のフォトカノンにお願いした。

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LEICA M6 Summarit 50mm f1.5 Kodak Ultramax400
< br />国道134号線。

逗子の披露山公園に沈みかけた太陽がもろに逆光だったが、ゴーストは出るものの、景色はちゃんと写っていて驚いた。

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LEICA M6 Summarit 50mm f1.5 Kodak Ultramax400

ゴーストは出るけど、夕暮れ時の雰囲気がよく出ている。

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LEICA M6 Summarit 50mm f1.5 Kodak Ultramax400

いや~、このレンズはフィルムの方がいいな。

自分のイメージ以上に写ってくれる。

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LEICA M6 Summarit 50mm f1.5 Kodak Ultramax400

この日が沈むか沈まないかの不安定なモーメントを、瞬間を切り取るというよりも、その前後の時間をすくい上げる感じだ。

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FUJIFILM X-Pro2  XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

ちなみに、この逗子海岸の南端まで来ると、江の島と富士山をワンショットで撮れる夕焼けスポットだ。

この日はちょっとヌケが悪かったな。

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LEICA M6 Summarit 50mm f1.5 Kodak Ultramax400

日が沈んだので、開放で1/15 で撮ってみた。

この妖しい感じがいいなぁ。

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LEICA M6 Summarit 50mm f1.5 Kodak Ultramax400

こちらも開放、1/15 。かなり暗くても写る。

この色合いと夕暮れ時の雰囲気がたまらない。

ズマリットは個体差が大きいので一概には言えないけど、開放と絞った時の二面性だけでなく、色合いや立体感、空気感もシチュエーションよって異なる多面性のレンズだ。

 

4 のコメント

  1. ええ、開放がクセになります。レンジファインダーなので、どんなボケになるか、フレア・ゴーストがどのように出るかわからないですが、現像すると期待以上だったので惚れました。
    いろいろなフィルムと試してみたいですね。

    だいきちボンバー
  2. どもども、だいきちボンバー殿。
    室内で撮った写真ですが、近距離でも印象的ですね。結像が美しいとか、発色が美しいとは違った表現が適切だと思うのですが、言葉が見つからず残念です。
    サンセットの写真は美しいですね。写真としては個人的には「犬を連れた散歩のシルエット」が好きですが、色合いの美しさと雰囲気は環境光が暗くなっていくほど引き立つ気がします。この美しさはディテールとか、そういう問題ではないですね。
    やはり、最後の写真は印象に残ります。
    これは撮影するのもISO400フィルムで開放値F1.5でも、なかなか厳しい環境だと思うのですが、だいきちボンバー殿のスキルの賜物ですね。
    絞った時の結像も興味深いですが、絞って素晴らしい結像と諧調を描くレンズはたくさんありますから、開放で限定的な光源下での雰囲気や空気感が、このレンズの魅力なのでしょうか。

    Rikkie
  3. Rikkieさん、コメントありがとうございます。
    確かにズマリットは日中に撮るよりも、日が傾いてからのほうがよさそうです。かなり暗かったのですが、もうちょっとで36枚撮り切れるから、撮れてるかわからないけど撮っておこう、という感じで撮ったカットが一番よかったりして。
    f5.6くらいに絞ると、普通に撮れるわけですが、開放からf2.8あたりが、一番色合いや雰囲気がいいのかなと思っています。ただ昼間に無理やり開放で撮るのはあまりよくないですね。「開放で撮らざるを得ない状況」で撮る開放が一番美しいのではないかと思います。
    いまは、モノクロでどんなもんか試しているところです。

    だいきちボンバー

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