なんとまぁ、会社の先輩に LEICA CL を頂いてしまった。
しかも、SUMMICRON-C 40mm F2 付きだ。ひゃっほー。
LEICA CL は、1973年から1976年にかけてミノルタと共同で製作され、海外では「LEICA CL」、国内では「LEITZ minolta CL」の名称で販売された。
距離計連動、しかもTTLスポット測光内蔵ながら、ボディは約360gと小型軽量化されている。
SUMMICRON 50mm(左) と SUMMICRON-C 40mm(右)
SUMMICRON-C 40mm は、4群6枚で、SUMMICRON 35mm の第2世代、いわゆる「6枚玉」 と 外観も設計も非常に似ているが、コストダウンが図られているので、硝材やコーティングに違いがあるかもしれない。
露出計の電源は、現在では手に入らない水銀電池なので、関東カメラから発売されているMR-9 アダプターとSR43を購入した。
これは、SR43の電圧1.55Vを水銀電池と同等の約1.35Vに変換してくれるので、(露出計が壊れていなければ)適正な値を示してくれる。
CL の露出計は、針が中央にくるように絞り値、シャッタースピードを変える方式なので、適正値からの「ずれ」が目で判別しやすい。
M6の場合、アンダーかオーバーか適正か、がわかるだけなので、CLの方が使いやすいな。
と、ここまでは完璧だったのだが、落とし穴があった。
先輩は、防湿庫に数年入れっぱなしだったそうで、その影響かと思われる。
まぁ頂いたその場でうすうす気付いてはいたのだが、「これ、カビ玉ですね」 なんて失礼なことも言えないので。
ただその先輩は、 球面ズミルックスも持っているのだが、むしろそれがカビていないかが心配だ。そのうち、格安で譲ってもらおうと狙っているので。
とりあえず、レンズの写りはどうか、ボディの露出計やシャッターは正常か、試し撮りをしてみた。
T-MAX Developer で 1:4、20℃、7分30秒で自家現像後、EPSON GT-X830 (2,400dpi)でスキャンしている。
LEICA CL SUMMICRON-C 40mm F2 T-MAX100
この日は曇天だった。
たしか1絞りくらいしたと思うが、なかなかよく写っているではないか。
LEICA CL SUMMICRON-C 40mm F2 T-MAX100
開放付近。まぁピントはきているし、こんなもんかな。
LEICA CL SUMMICRON-C 40mm F2 T-MAX100
うーん、悪くはないんだけど、なんかしゃっきりしない感じがつきまとう。
ズミクロンという感じではないというか。
LEICA CL SUMMICRON-C 40mm F2 T-MAX100
日が出てきたので半逆光で撮ったが、フレアがかっているな。
LEICA CL SUMMICRON-C 40mm F2 T-MAX100
そんな強い光でもなかったのに。
やはり後玉の影響は大きいか。もったいないなぁ。
LEICA CL SUMMICRON-C 40mm F2 T-MAX100
けど日陰で絞るとパキッと写る。
これなんて、ズミクロンらしい写りだ。
LEICA CL SUMMICRON-C 40mm F2 T-MAX100
ボケはちょっとうるさい感じだけど、まぁ味は悪くないかな。
とりあえず、CLの露出計は使いやすいし、コンパクトボディは散歩に最高だ。
ただ、それだけにレンズがもったいない。
このレンズ、相場を調べると6万~8万くらいで、なかなかいい値段をする。
後玉の傷だから、清掃では治らない。そこで……。
「山崎ズマール」で有名な、山崎光学で研磨とコーティングをしてもらうことにした。
電話では山崎さんが出たので、まだ現役か(80歳くらい?)、と驚いたが、現場での対応は息子さんだった。
やはり後玉の傷、カビ、クモリが影響しているが、大丈夫でしょう、とのことだった。
費用は2万から3万くらい、とのことだったが、元をただせば頂きものだし、「山崎磨き」がどんなもんか見てみたかったので、ちょうどよい機会だった。
さて、どんな写りになって戻ってくるのか楽しみだ。
【追記】
修理から帰ってきました(瀬戸内を旅する その1)。
どもども、だいきちボンバー殿。
なんと、、ライカCLとズミクロン40mmF2を頂けるとは!
やっぱり、こういうのは人徳なのでショウねえ。
ズミクロンの後玉のダメージは痛いですね。
逆光はともかく、順光でも本来のパフォーマンスを発揮できていない気がします。
山崎光学の門をくぐりましたか。
それだけの価値があるでしょうね。
有名な山崎光学のOHの結果が楽しみです。
山崎光学というとコンゴーを思い浮かべてしまいます。
拙僧の師団にもコンゴーのついた蛇腹カメラのプラウド3があるのですが、赤窓からの光線漏れで待機中です。
なんとか使い物にしたいのですが。
CLは嬉しかったですねぇ。小ぶりで使いやすく、露出計もわかりやすいので、これは散歩にぴったりだなと思いました。M型ライカとローライ35の間くらいで。
有効基線長が短いのと、パララックスはちょっと気になりますが、まぁスナップで使う分にはあまり気にしてもしょうがないですね。
それよりもズミクロンはちょっとショックでした。ただ買おうとすると結構な値段がするし、ロッコールを買うのも癪なので、山崎さんにお願いしました。研磨はちょっと躊躇しましたが、この状態ではもったいないので、研磨や再コーティングによって写りがどう変化するのか楽しみです。
コンゴーレンズの話は聞いたことはありましたが、実際に持っている方がいらっしゃるとは驚きです。大判用の生産も終え、会社をたたんだようなので、コンゴーレンズ搭載のプラウド3、貴重かもしれませんよ!