レンジファインダーで一番好きなのが、NIKON S2 だ。
NIKON SPやS3 といったその後発売された優秀なカメラと比較すると、NIKON S2 は、ファインダーが50mmしかないし、パララックス自動補正もないし、シャッターダイヤルは二軸回転式だし、セルフタイマーもないし、モータードライブの取り付けもできないし(必要ないけど)、と発展した機能面は劣るのかもしれないが、単純に写真を撮ることに関しては必要にして十分であり、むしろさまざまな機能を省いたシンプルかつ筋肉質なカメラ、と見ることもできる。
また、1954年の生産段階中にLEICA M3 が発売になり、その完成度の高さに少しでも近づくため、急遽、巻き上げがレバー式になり、巻き戻しもクランク式、ファインダーも等倍になった、という開発秘話やチェ・ゲバラがNIKON S2 を愛用していた、というサイドストーリーにも興奮させられる。
持っているレンズは、NIKKOR-HC 5cm f2 、W-Nikkor・C 3.5cm f2.5、NIKKOR-P 10.5cm F2.5 の3本。
これに85mm f2 や 28mm f3.5 があれば最高だが、ちょっと高い。
さらに、85mm f1.5 、25mm f4、50mm f1.1、21mm f4 となるとプレミア価格となり、非常に危険な世界だ。
所有している3本の中では、10.5cm f2.5 というレンズが、非常にパキッとしていて気持ちがいい。
開放付近のボケや圧縮効果も好ましく、街中のスナップにも使える。
難点はちょっと重いことと、外付けファインダーを付けるとバズーカのようで圧迫感が強いことだろう。
NIKON S2 NIKKOR-P 10.5cm F2.5 Fuji C200
この解像感はなかなかのものだろう。
NIKON S2 NIKKOR-P 10.5cm F2.5 Fuji C200
NIKON S2 NIKKOR-P 10.5cm F2.5 NEOPAN ACROS100
やはりこの時代のニコンレンズとモノクロとの相性はいい。
NIKON S2 NIKKOR-P 10.5cm F2.5 NEOPAN ACROS100
ちょっと逆光だったが、まずまず写っている。
NIKON S2 NIKKOR-HC 5cm f2 Fuji C200
5cm f2 は、まさに標準レンズ、といった感じで、モノクロで撮ると非常にシャープな写りをする。
カラーの場合、ネガしか撮ったことがないのでなんともいえないが、思ったより軟調で彩度が低い印象をもっている。
NIKON S2 NIKKOR-HC 5cm f2 Fuji C200
NIKON S2 W-Nikkor・C 3.5cm f2.5 Kodak PORTRA160
で一番気に入っているのが、W-Nikkor・C
3.5cm f2.5。いまは3万円前後で買えるかな。
開放付近ではクセがあって、おもしろいレンズだ。
NIKON S2 W-Nikkor・C 3.5cm f2.5 Kodak PORTRA160
やわらかい光で質感を捉えてくれる印象だ。
NIKON S2 W-Nikkor・C 3.5cm f2.5 Rollei RPX400
Rollei RPX400 と組み合わせてみた。D76で自家現像。
このときは絞り気味に撮ってみた(f8前後)。なかなかシャープだ。
NIKON S2 W-Nikkor・C 3.5cm f2.5 Rollei RPX400
NIKON S2 W-Nikkor・C 3.5cm f2.5 Rollei RPX400
開放付近のクセと絞った時のシャープさ、この二面性がおもしろい。
60年前のカメラ、レンズと侮るなかれ、シンプルだからこそ、レンズ、フィルムの組み合わせで無限に楽しめるのだ。
どもども、だいきちボンバー殿。
いやはや、ニコンS2とは羨ましい。
昔、三河のキタムラに、どういう訳か5cmF2付きのSが6万円くらいで出ていて悩みました。
失業直後でどうにも動けませんでしたが。
先日、ライバルであるキヤノンの28mmF2.8でポートレイト撮影をしたのですが、ネガをスキャナーで読んだ限りではパキッとしてイイ感じです。是非、ニコンの35mmも試したいですねえ。あ、ニコノスの35mmがニコンSマウントのモノと近いんでしたっけ。
Sマウントのニッコール10.5cmF2.5はFマウントのモノと近いと聞いています。
なかなか軟らかい諧調が魅力的ですね。よくニコンというと何でも硬いという方がいらっしゃいますが、本当に(モノクロで)取っているのかと思います。これはお気に入りのレンズです。
ニコンSかS2は何時か欲しいと思っていましたが、届かないでしょうね。
3.5cmはイイ具合ですねえ。キエフで使えるかなあ。
Rikkieさん、こんばんは。
ニコノスとは4群6枚で光学系は同じですね。レンズの曲率と材料が少し違うみたいですが。
キエフだと、どうでしょう。コンタックス同様、微妙にピントがずれるが絞り込めば問題ない、という感じでしょうか。
Sマウントのニッコール10.5cmF2.5は、Fマウントと光学設計は同じゾナータイプで、最後のレンズの厚みを薄くして転用した、と読んだ記憶があります。あとはSマウントは絞りが円形絞り、という違いくらいでしょうか。
値段が高い8.5cmF2 の収差を改善しつつ、同じゾナータイプなので、お得感が非常に高いレンズだと思うのですが、それほど市場では人気はないようです。それがまた、自分的には隠れた銘レンズを使っているという快感なのですが。
3.5cm も10.5cm も、それほど硬くなく、特に10.5cm で子供を撮ると、パキッとしつつ階調も出てて、いい感じのポートレートレンズなんです。
自分も”ニコンは硬いんじゃないか”という先入観を持っていましたが、このレンズで完全に覆されました。
キヤノンもいいですね。特にレンジファインダー時代の広角系レンズをモノクロで使ってみたいものです。けど、けっこう高いんですよねぇ。