X-T10 とオールドレンズの組み合わせがけっこうおもしろかったので(X-T10 でオールドレンズ遊び)(X-T10 でオールドレンズ遊び アンジェニュー編)、アダプターを持っているレンズをすべて試してみよう。
今回は、ライカLマウントのエルマー50mm f3.5 と ライカMマウントのエルマリート28mm f2.8(3rd)だ。
沈胴式のエルマー50mm f3.5 。
ライカDⅢ購入時に付いていたレンズで、1936年製だった。
昔のレンズなので拭き傷やクモリがある個体も多いが、この個体は比較的きれいだと思う。
スタンダードで撮影、jpeg撮って出しで、リサイズのみ行っている。
FUJI X-T10 Elmar 50mm f3.5
開放f3.5 で撮影。
やわらかい描写だが、解像力も高いことがわかる。
色調もやさしく、自然感がある。
f6.3に絞ると、全体に引き締まった鋭い描写となる。
それでいてカリカリしないのが、オールドレンズらしさか。
これ以上絞っても、描写はあまり変わらないようだ。
FUJI X-T10 Elmar 50mm f3.5
同じくf6.3。
もう少し濃い鮮やかな空だったが、あまり彩度はあがらないようだ。
FUJI X-T10 Elmar 50mm f3.5
開放で後ボケを見る。
玉ボケがイイ。
予想通り、エルマーは開けてよし、絞ってよし、とデジタルとの相性はよさそうだ。
80年近い前のレンズなのに、不思議なもので。
第1世代、第2世代はやわらかい描写で定評があるが、第3世代は「設計を変更してフレアの発生を防ぎ、高コントラストの再現性を獲得」(『M型ライカとレンズの図鑑』えい出版 より) しているそうだ。
いわゆるレンズとしての性能は向上しているが、「味」はやや薄まっているかもしれない。
フィルムでは、開放から十分使えて、一段絞るとグッと解像力が上がる印象だが、はたしてデジタルだとどんなもんだろう。
フィルムシミュレーションは、クラシッククローム、絞りはすべて開放。
FUJI X-T10 ELMARIT-M 28mm f2.8(3rd)
夕暮れ時。
開放だが、拡大していくと猫の毛並も細かく解像している。
FUJI X-T10 ELMARIT-M 28mm f2.8(3rd)
ニコマート、ニコンF2、ゼンザブロニカ、ポラロイドが並ぶ、謎のふとん屋さん。
FUJI X-T10 ELMARIT-M 28mm f2.8(3rd)
1980年製、35年前のレンズだが、基本的には鋭い描写だ。
しかし、開放ならばオールドレンズの残り香が感じられると思う。
FUJI X-T10 ELMARIT-M 28mm f2.8(3rd)
空の階調表現がやさしい。
フジのボディも優秀なのだろう。
という感じで3回にわたって X-T10 とオールドレンズの組み合わせを見てきた。
率直な感想としては、「あぁ、こういう遊びもあるんだなぁ」 と今までのレンズ資産を有効活用しつつ新しい発見ができた喜びを感じると同時に、フィルムとはまた違ったルールの競技だとも感じた。
正直、おもしろい。
ただ、フィルムもまたおもしろい。
適材適所、臨機応変。趣味の引き出しが広がることはいいことなので、うまいこと両方を楽しんでいきたい。