金沢に行く機会があった。
金沢と言えば、茶屋街に行きたい。
それもフィルムで、ライカで撮ったら楽しいだろうなぁ、とLEICA M6 に エルマリートとズミクロンを持っていくことにした。
で今回は訳あって、小松空港から行くことにした。
羽田空港では、保安検査場でいつも通り、「フィルムなのでオープンチェックでお願いします」といって女性係官にビニール袋を渡す。
係官は、「前に進んでください」と言うので、金属探知機のゲートを抜けて待っていると……。
なんと、X線検査装置のコンベアーから、フィルムの入ったビニール袋が出てくるではないか!
ちょっと意味わかんない。
目の前の別の係官に、「このフィルム、オープンチェックで頼んだのにX線から出てきたんだけど?」と言うと、
男性係官は 「え!? す、すいません」 と平身低頭で謝り、「いま、責任者を呼びますっ」 と大慌て。
オープンチェックは、こちらにも面倒なことをお願いしている負い目もあるので、そんなに大事にしなくてもいいんだけど、とりあえず先方に対応をまかせる。
正直なところ、ISO100~400 のフィルムだし、1回通したくらいでは問題ないので別にいいんだけど、とはいえ 「フィルムなのでオープンチェックでお願いします」 と伝えた直後にX線に通すのは、フィルムがカブる、カブらないは別としておかしいのも確か。
結局その後、責任者というか、ちょっと上司の人が4人くらい来て、謝罪されたけど、なんというか謝られてもどうしようもないし、なんとも後味の悪い出来事でした。
ちなみに羽田空港では、昨年もプロカメラマンにオープンチェックを依頼されたフィルムを30本、X線に通してしまったそうです。
その時は、1本をすぐに現像に出し、カブっていないことを確認して渡航先のカメラマンに連絡したそうです(その1本のフィルム代、現像代は空港側が負担)。
「その時もフィルムは大丈夫でしたっ!」 と胸を張って言っていたけど、それもなんだかなぁ。
フィルムは問題ないだろうけど、撮影のテンションは下がったな。
LEICA M6 ELMARIT-M 28mm f2.8(3rd) Kodak PORTRA400
というわけで(前振りが長くなりましたが)、金沢駅からバスでひがし茶屋街に到着。
帰京後、すぐに現像に出したけど、X線照射の影響は特にないようだ。
FUJIFILM X-Pro2 XF10-24mm F4 R OIS
デジタルはX-Pro2 を持っていき、アクロスモードで古い町並みを撮ることにした。
LEICA M6 ELMARIT-M 28mm f2.8(3rd) Kodak PORTRA400
ひがし茶屋街のメインストリートは、日本、海外からの観光客が多かったので、裏道を散策してみた。
FUJIFILM X-Pro2 XF10-24mm F4 R OIS
ひがし茶屋街には、およそ18年ぶりに来たけど、町並み自体は当時とあまり変わっていなくて驚いた。
LEICA M6 ELMARIT-M 28mm f2.8(3rd) Kodak PORTRA400
LEICA M6 ELMARIT-M 28mm f2.8(3rd) Kodak PORTRA400
散策しつつ、喫茶店であんみつを食べ、次の主計町(かずえまち)へ移動する。
LEICA M6 ELMARIT-M 28mm f2.8(3rd) Kodak PORTRA400
主計町は、ひがし茶屋街から歩いて10分くらい、浅野川沿いに佇む静かな茶屋街だ。
LEICA M6 ELMARIT-M 28mm f2.8(3rd) Kodak PORTRA400
通りから1本中に入ってみた。
ちなみに、ひがし茶屋街と主計町は、それぞれ重要伝統的建造物群保存地区となっている。
FUJIFILM X-Pro2 XF10-24mm F4 R OIS
時折、通りを静かに抜ける風が心地よい。
LEICA M6 ELMARIT-M 28mm f2.8(3rd) Kodak PORTRA400
暗がり坂(暗闇坂)。
久保市乙剣宮から主計町に通じる小路。日中も日が当たらない暗い坂道のため、この名が付いたそう。
この付近に住んでいた泉鏡花も、毎日この道を通って学校に通っていたという。
LEICA M6 ELMARIT-M 28mm f2.8(3rd) Kodak PORTRA400
こちらは、暗がり坂から一本隔てた 「あかり坂」 に向かう小路。
LEICA M6 ELMARIT-M 28mm f2.8(3rd) Kodak PORTRA400
奥に見えるのが、あかり坂。
坂の名前は五木寛之が命名、この界隈を描いた短編小説にも登場する。
FUJIFILM X-Pro2 XF10-24mm F4 R OIS
あかり坂から見下ろす。
歴史を感じさせる小路が多く、主計町の方はそれほど観光客も多くないので、散策にはもってこいだ。
昼間でも十分楽しめるけど、茶屋街なので宵の口から夜にかけての雰囲気も味わいたい。
そこで、その時間帯にもう一度来ることにした。次に続く……(フィルムで金沢の夜景を撮る )。