【お知らせ】
バルナック型ライカを買う
バルナックライカのフィルム装填方法と操作方法について、追記しました(2015.11.13)。
うちの近所に武蔵小山という街がある。
山手線・目黒駅から東急目黒線で2駅と立地もよく、パルム商店街という全長800mのアーケード付き商店街は活気に溢れ、下町情緒も残す。
そんな武蔵小山駅周辺の一角に、なにやらちょっと怪しげなエリア 「りゅえる」 という飲み屋街がある。
昭和なんですよ、雰囲気が。
結構好きなエリアだったのだが、再開発でマンションが建つことになり、今年の夏頃から徐々に廃業や移転するお店が増えてきた。
そして10月の終わりになると、駅前の一角を残し、9割以上のお店が閉まっていた。
夜はちょっとこわい。
FUJIFILM TIARAⅡ Kodak UltraMax400
この昭和に対抗するためには、それ相応の機材が必要、ということでフジフイルム TIARAⅡを投入してみた。
基本的には、押せば写る普通のオートカメラなのだが、フラッシュモードには注意が必要だ。
KLASSE の場合、設定しておけば電源をオフにしても発光禁止モードは継続されるが、TIARAⅡは電源をオフにすると発光禁止モードはリセットされてしまうのだ。
で、発光禁止で撮るつもりが、突然フラッシュが光って、ビクッと驚く羽目になる。
とはいえ、普通に昼間撮ると、SUPER-EBC フジノンレンズ 28mmの素晴らしい写りが楽しめるんですよ。
FUJIFILM TIARAⅡ Kodak UltraMax400
そしてついに、工事も始まった。
ちなみに奥のお店は「窓」という名前のスナックだが、この建物はなぜか2階に窓がなく、それを皮肉った遊び心あふれる店名だ(おそらく)。
FUJIFILM TIARAⅡ Kodak UltraMax400
フラッシュを焚くと、KONICA C35 EF(ピッカリコニカ)を思い起こさせる昭和な写りとなる。
FUJIFILM TIARAⅡ Kodak UltraMax400
このコインランドリーも9月21日に閉店となった。
かろうじて営業している一角。
FUJIFILM X-T10 Ruo-Optik Kino 5cm f2.5
別の日、上と同じところから、Ruo-Optik Kino 5cm f2.5 というレンズで撮ってみた。
このレンズ、Rudersdorf という1920年代から30年代にドイツにあった会社のシネレンズなのだが、素性は謎が多く、海外の文献やホームページを見ても、詳しくはわからない。
開放での収差は多いが、その出方がプラズマートのテイストを彷彿させるという。
なので、このレンズで武蔵小山を残しておこうと思った。
LEICA M6 Ruo-Optik Kino 5cm f2.5 FUJIFILM ACROS100
開放で撮るとこんな感じに滲む。
スキャニングの解像度が720dpi と低すぎたのはよくなかったなぁと後悔。
しかし、デジタルカメラで開放で撮影したデータを見ると、滲んでいるように見えても、拡大していくときっちりと解像していて驚いた。
LEICA M6 Ruo-Optik Kino 5cm f2.5 FUJIFILM ACROS100
LEICA M6 Ruo-Optik Kino 5cm f2.5 FUJIFILM ACROS100
LEICA M6 Ruo-Optik Kino 5cm f2.5 FUJIFILM ACROS100
フィルムで使いたかったので、Lマウントに改造してもらい、距離計とも連動させた。
お店の人曰く、ピントのピークとコントラスト面の位置が異なるので(コントラスト面が少し手前に来る)、距離計との調整に時間がかかったとのこと。
このレンズについては、あらためて記しておきたい。
というわけで、いろいろなアプローチで去りゆく武蔵小山・りゅえるを撮ってみた。
昭和は遠くなりにけり、だがこれも時代の流れなのだろう。